目次
チャートの基礎知識
FXを取引する際にチャートを読み、分析する必要があります。
FXで利益を獲得するためには、このチャートを分析するために必要な知識を勉強する必要があります。
初心者の方が初めてチャートを見ても意味が分からず難しく、あきらめてしまうかもしれません。
しかし、全世界のトレーダーがチャートを見て取引しているので、チャートの見方を理解することが利益獲得への一番の近道になります。
ここでは、わかりやすくチャートに関して記していきます。
チャートとは?
チャートとは価格の動き、つまり値動きを表したグラフのことを指します。FXのみならず株価でも過去の動きをグラフ化したチャートが用いられます。
チャート分析は「テクニカル分析」の一つで、過去の値動きや価格の推移、またその位置関係から相場の動きを認識・予測します。
海外FXの取引で使用するMT4でもチャート分析はできますが、ブラウザで見れるTradingViewが非常に使いやすく、細かく設定できるのでこちらを使うことをお勧めします。
チャートには主にローソク足、バーチャート、ラインチャートの3種類があり、一般的に使われるのはローソク足チャートです。バーチャートやラインチャートは欧米で使用者が多いのに対し、ローソク足は日本発祥のチャートで世界中に使用者がいます。
TradingViewでは無料で使うことができます。
ただし、有料版より機能が制限されているため、本格的に使用する場合は有料版へのアップデートすることをお勧めします。
最安値はPROプランで月14.95ドル(約1600円)です。
チャートの見方
チャートの見方を覚えることで、将来的に価格が上がるのか下がるのか、今後の動きを予測するヒントを得ることができます。
一般的にチャートとして多く用いられているのは、下記のようなローソク足が連なって形成されているものとなります。
USD/JPYのチャートになります。
過去の為替の値動きを「価格」と「時間」を軸にしてグラフにしたもので分析をして未来の値動きを予測していきます。
チャートが上に位置するほどドル高(円安)となり、チャートが下に位置するほどドル安(円高)となります。
ドル高(円安)になると、ドルが買われている(円が売られている)という事になります。
ドル安(円高)になると、ドルが売られている(円が買われている)という事になります。
チャートには分足、時間足、日足、週足など、さまざまな時間軸があります。
一般的に、直近の細かい値動きを見たいときには分足や5分足を、長期間にわたる大まかな値動きを把握したい場合は月足や年足を使います。
テクニカル分析とファンダメンタルズ分析
FXの分析方法には、テクニカル分析とファンダメンタルズ分析の2つがあります。
FXといえば、チャートの動きを分析するテクニカル分析が重要だと言われていますが、中長期トレーダーであれば、ファンダメンタルズ分析の方が重要な場合もあります。
テクニカル分析
テクニカル分析とはチャートから今後の株価、為替の動向を予想することです。
テクニカル分析は多岐にわたり、それぞれの特徴があります。
インジケーターを使い買い時、売り時を探したり、チャートパターンを使い方向性の予測などをします。
インジケーター
FXで買い時・売り時の判定に使用するツールをインジケーターといいます。
為替レートのデータを様々な計算で加工して使用します。
インジケーターには2種類あり、トレンド系インジケーターとオシレーター系インジケータがあります。
トレンド系インジケーターは相場が上昇するのか、下降するのかを教えてくれるインジケーターです。
オシレーター系インジケーターは今の相場が買われすぎているのか、それとも売られすぎているのか?を判断するツールです。
代表的なテクニカル分析
代表的なテクニカル分析として「ローソク足」、「単純移動平均線」、「ボリンジャーバンド」、「RSI」、「MACD」、「ストキャスティクス」等あります。
それぞれ解説していきます。
ローソク足
値動きを一目で判別するための記号であり、テクニカル分析の基本中の基本です。
ローソク足はそれ1本で、設定した時間内の始値(はじめね)・高値(たかね)・安値(やすね)・終値(おわりね)を視覚的に表します。
初心者のうちは、まずはローソク足チャートをマスターすることを目指しましょう。
単純移動平均線
移動平均線とも言います。
一定期間の平均値を線としてつなぎ合わせた指標です。
テクニカル指標の中で最も基本的な指標で、愛用者は非常に多いです。海外においても「Moving Average」(MA)の名前で世界中のトレーダーが使用しています。
ボリンジャーバンド
ボリンジャーバンドは、移動平均線と標準偏差で構成されており、移動平均を表す線とその上下に値動きの幅を示す線を加えた指標で、「価格の大半がこの帯(バンド)の中に収まる」という統計学を応用したテクニカル指標のひとつです。
RSI
「Relative Strength Index」の頭文字をとった略語です。日本語に訳すと「相対力指数」になります。要するに、買われすぎか、売られすぎかを判断するための指標として利用されています。
オシレーター系のテクニカル指標の代表格になります。
MACD
MACD(通称マックディー)は、移動平均の発展版で、更に売買シグナルにおいて精度を高くした、トレンド分析の中でも人気のある指標の一つです。「移動平均収束拡散」又は「移動平均収束乖離」などとも呼ばれています。
MACDは基本となる線(テクニカル名と同じMACDという線)と、MACDの移動平均線であるシグナルと呼ばれる2本の線の推移でマーケットの判断をします。
RSIと同じオシレーター系のテクニカルになります。
ストキャスティクス
オシレーター系の一種です。
これで相場の相対的な強弱の勢い、いわゆる「売られすぎ」や「買われすぎ」を示す指標です。
チャートは%K(Fast)と%D(Slow)の2本の線で表され、数値は0%から100%の範囲で推移します。
テクニカル分析はそれぞれ一長一短があり、万能なテクニカル分析はありません。
その時の状況に合わせて、複数のテクニカル分析を併用し、判断することをおすすめします。
チャートパターン
FXにおけるチャートパターンとは、テクニカル分析の1つで、チャートに現れる特定の「型」のことです。
チャートパターンを判別するにはトレンドラインや水平線等を描写し、どのチャートパーターンにあてはまるか判断する必要があります。
チャートが特定の形状になった場合に、その後の値動きを経験則的、帰納法的に予想します。
相場は生き物で全く同じ動きをしないと言われていますが、過去に似たような動きをしていることがよくあります。
大きい時間足で分析することで大きな利益を獲得するのによく使われますが、短い分足や時間足でも現れるので、自分の得意なチャートパターンを見つけ出せるとスキャルピングやデイトレードでの勝率が高くなります。
ベテランのトレーダーでも意識するテクニカル分析なので、これから始める初心者の方はこのチャートパターンから覚えることをおすすめします。
チャートパターンは相場のトレンドが反転しそうなときにあらわれる「反転パターン」、相場のトレンドは今後も継続しそうなときにあらわれる「継続パターン」の2つがあります。
下記は代表的なチャートパターンです。
代表的なチャートパターン
チャートパターンは大きく分けると2種類に分類することができます。
パターンにはトレンドから「反転」するパターンと「継続」するパターンがそれぞれあるので下記の表にまとめました。
反転パターン | 継続パターン |
---|
ヘッド&ショルダーズ | トライアングル |
ダブル(トリプル) | ペナント |
スパイク | フラッグ |
ソーサー | |
ダブル(トリプル)
ダブルトップとは、抵抗線で二度止められ、アルファベットの「M」のような形状をしたチャートパターンです。
逆に、支持線のブレイクに二度チャレンジし、二度とも失敗に終わることで、上昇に転じるシグナルとなります。
これを「ダブルボトム」といいます。アルファベットの「W」のような形状です。
トリプルはダブルトップやダブルボトムと似たような形ですが、同じ価格帯で三度跳ね返されるチャートパターンで、反転のシグナルとなります。
スパイク
スパイクとは、ローソク足の実体部分が狭く、長いヒゲができた状態の事を指します。
上昇トレンドで出たスパイクは「スパイクハイ」、下降トレンドで出たスパイクは「スパイクロー」と呼ばれます。
スパイクは、瞬間的に突出した高値/安値をつけた後に反対勢力の圧力によってすぐに戻された場合にでき、ヒゲが長ければ長いほど反転の兆しが強くなってきます。
ソーサー
ソーサーは英語で「お皿」を意味し、安値圏、高値圏でこのお皿のような形になった場合に「トレンド転換」と判断できる分析です。
トライアングル
トライアングルとは、水平線を基準に徐々に幅が小さくなり三角形の形を作るという継続パターンです。
三角持ち合いと言われることもあります。
もみ合いの中で、水平線とトレンドラインを行き来し、貯まったエネルギーが爆発するようなイメージです。
ペナント
ペナントは、三角形の旗のようなイメージでトレンド方向に対して一時的に起こる逆向きの動きの継続パターンです。
フラッグ
フラッグは斜めに立てた四角形の旗のようなイメージで、ペナントと同じくトレンド方向に対して一時的に逆へと動きます。
ファンダメンタルズ分析
ファンダメンタルズとは経済成長率や物価上昇率、財政支出などをまとめて表す経済用語です。
ファンダメンタルズ分析ではこのファンダメンタルズ情報を活用して分析をし相場を予測します。
取引している通貨の国の景気が上向きの場合、為替相場上昇しやすく、反対に下向きの場合、為替相場が下落しやすくなります。
トレーダーは日々発表される経済指標や要人発言などの情報を集め、ファンダメンタルズ分析を行っています。
ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析どちらかだけでは FX 取引を行うには不十分で両方を上手に取り入れながら予測することが大切です。
まとめ
チャートの見方はテクニカル分析の必須科目です。
期から長期まで幅広い時間軸で、値幅から時間まで、様々な要素の分析を行うことができるテクニカル分析です。
そのテクニカル分析の第一歩となるのがチャートの見方です。
チャートが読めなければテクニカル分析を行うことができません。
チャートの基本的な見方をマスターして、様々なテクニカル指標と組合せた取引手法を使えるようになりましょう。
中長期でのトレードではファンダメンタルズを考慮してトレードする必要があります。
テクニカル分析で予測通り動いていても、ファンダメンタルズ分析を怠ると一瞬で流れが変わることがあります。
どちらか一方を勉強するのではなく、どちらも重要なので情報収集は欠かせません。